第43回「ループ&ループ」ASIAN KUNG-FU GENERATION
夏日、真夏日がたまにあったりして、春から初夏への変化を感じます。だけど、こういう時期って体調を崩しがち。ちゃんと自己管理しないとね。はい、本日紹介するのは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ループ&ループ」です。
●ASIAN KUNG-FU GENERATIONって?
(→公式サイト)
喜多建介(Vo,G):1977年01月24日生 神奈川県出身
後藤正文(Vo,G):1976年12月02日生 静岡県出身
山田貴洋(Vo,B):1977年08月19日生 静岡県出身
伊地知潔(D):1977年09月25日生 神奈川県出身
1996年大学の音楽サークルにて結成。2001年、横浜CLUB24にて“YMD”など、いくつかの自主企画イベントを開催。2003年4月23日、「崩壊アンプリファー」発売。「ループ&ループ」は4枚目のシングルとなる。
■白い紙は人生の象徴か?
日々、仕事に追われる中で、自由に生きたいと願う人は多いだろう。しかし、この自由という言葉、なかなかくせものである。
右手に白い紙
理由なき僕の絵を
描いた途中で投げ出す
その光る明日を
「真っ白な紙を与えられ、自由に絵を描いてください」、と言われたら、あなたは何を描きますか? 子供の頃は、図工の時間にそんなことがあっただろう。その時なに描いたのかな? おそらく、素直に何かを描いたのだろう。だけど、今はいったい何を描けばいいのかわからない。自由という言葉がネックなのだ。景色だとか、花だとか、テーマが与えられたらそれなりに手は動くのに。それは、自分の中に描きたい何かがないからだったり、絵を描くこと自体が恥ずかしいからだったりする。そして、描いている途中で、他のことが気になることもある。冒頭で歌われるこれらの言葉。主人公は、描くことを途中で投げ出してしまっている。「白い紙」が人生を例えたものであるなら、途中で「光る明日」、おそらく何か楽しそうなものを見つけ手を止めてしまったのかもしれないと、想像する。
■強烈に抽象的な言葉で心の底をさらった
「とめどない青」、「消える景色」、「終わる冬」、「ひどい雨」。ポジティブと思えない言葉が並ぶ。心の中のヘドロのようなよどみ。大阪、道頓堀川の川底みたいなものを感じる。誰も、少しはそんなどろどろした感情を抱えている。それでも、明日を見る。そして、ポジティブな思いに描きなおして生きている。
とめどない青 消える景色
終わる冬を
抜け出す扉を沈めるひどい雨
染み込む心の奥底に響いて
頼りない明日の儚い想いも
僅かな光で切り取る白い影
この歌も最後で、弱々しくも明日や光を描き、未来への期待を示唆する。希望を感じ安心した。
公開:2004/06/04 TEXT・みど(c) 2003 RGS680,all rights reserved.