第68回「思いがかさなるその前に…」平井堅
今年の冬は暖冬なんでしょうか?11月の末とは思えない良いお天気の日もあって、なかなか冬を感じない毎日です。でも、街中はクリスマス一色!渋谷を歩いているときらびやかなツリーがあっちにもこっちにも。否応なく、誕生日が近いことを感じます(誕生日がクリスマスなんです)。さて、本日は、息の長いこの曲、やっぱりやっておくべきだ!ということで平井堅「思いがかなさるその前に…」。
●平井堅って?
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(→レコード会社サイト)
平井堅(ひらいけん):1972年01月17日生 大阪生まれ三重育ち A型
1992年、Sony Music Entertainment Audition〜Breath〜においてファイナリストに選ばれる。1993年、Sony Recordsと契約。1995年05月13日「Precious Junk」でデビュー。フジテレビ系ドラマ「王様のレストラン」主題歌となる。2000年01月19日、8thシングル「楽園」発売。FMでのオンエアがきっかけとなり、大ブレイク。2002年08月28日、16thシングル「大きな古時計」発売。
■未来など分からなくていい
人は、未来を想像するのが好きだ。明るい未来を想像するのはいい。だけど、悲観的な未来を想像するのはプラスの結果を産まないと思う。この歌で主人公は、いつか来るかもしれない別れを想像している。そして、君も同じことをいつか思うのではないかと不安になる。ちょっとした杞憂だ。
ねぇ そんな事を隣でキミも思ったりするのかな
思いが重なるその前に強く手を握ろう
だけど、その思いから逃れることは難しい。だからこそ、主人公はキミの手を強く握る。今一緒にいることを精一杯感じるために。きっと、人と人との繋がりは、そんな瞬間の連続で、気づけば死が二人を分かつまで一緒にいた、なんてことになるんだと思う。不安になってしまうのは、ある程度仕方がない。本当に好きだからこそ、不安になるんだし。だから受け入れて、進めばいい。思いが重なってしまったら、そのときに考えればいいんだ。
■存在がもたらすもの
「不在」をいうのは、とても大きな存在となる。そこにいないということが、心に大きく響きすぎて、いないことを忘れることができなくなる。それが大切な人や物であればあるほど。反対に「存在」は、当たり前に感じすぎて時に見逃してしまうことがある。空気みたいに。
肩を落とすキミを見る度に
連れ出すのは僕の方なのに
時々わからなくなるよ
僕が救われてるんだ
主人公は、わからないというが、本当はちゃんとわかっている。わかっているからこそ、このように考えることができるのだ。キミが淋しそうにしている。だから、僕が励ます。だけど、考えてみるとキミの存在で僕はとても救われている。キミがいないとダメなのは僕の方。だから、心は察知して、キミに逢いたくなると、キミの淋しさを見つけているのかもしれない。それはそれでありだ。二人のバイオリズムが合っている証拠にもなる。
公開:2004/11/26 TEXT・みど(c) 2003 RGS680,all rights reserved.