第10回「AMBITIOUS JAPAN!」TOKIO
福山6週ならず。TOKIOにTOPの座を譲りました。そして、5位には中村玉緒と氷川きよによる異色のデュエットソングが。なんと作詞 阿木燿子、作曲 宇崎竜童というゴールデンコンビによる作品なのだ。 年末に向けての宴会ソングとなるのか?
●TOKIOって?
(→公式サイトなし)
城島茂:1970年11月17日生 奈良県出身
山口達也:1972年01月10日生 埼玉県出身
国分太一:1974年09月02日生 東京都出身
松岡昌宏:1977年01月11日生 北海道出身
長瀬智也:1978年11月07日生 神奈川県出身
という、年齢も出身地も違う5人で構成される。5人でのバンド活動以外にバラエティ番組などに出演。また、個人としての活躍も目立つ。リーダー城島は「愛のエプロン」にて司会。松岡がTBSドラマ「マンハッタンラブストーリー」に出演。
■王道のテーマほど 難しいものなのだ
突き進めば希望(のぞみ)はかなう
立ち止まらない 振り返らない
やるべきことをやるだけさ
歌詞のこの部分の一行目「突き進めば希望(のぞみ)はかなう」。これは、この曲のタイアップである、新幹線「のぞみ」とかけている部分。そして、大きなテーマである「信じれば夢は叶う」とか「頑張れば大丈夫」という王道を歌った部分でもある。この王道のテーマというのが実は曲者で、王道のテーマだからこそ料理が難しい。最近では、信じたって叶わない夢もあるし、頑張ったって無理なことはあるしね、なんて冷めている人も多いから、あまりに熱く書くとしらけちゃうのだ。
そんな中、この歌詞は、さすが、なかにし氏、ただ信じる、頑張るとは、一線を引いた書き方をしている。それは、「突き進む」という行動があることだ。動いてこそ、望みを手に入れることができる。そして、その後に続くフレーズでは「立ち止まらない 振り返らない」と行動の指針を示し「やることをやるだけさ」と具体的に動けという。
王道なテーマを書くことは安泰ではなく難しい時代。80年代後半から90年代には、とにかく頑張ろうよという曲がたくさんでたけど、今は、もっと具体的な言葉を人は求めているのだ。
さて、なかにし礼氏といえば、「週刊テレビ放談」でとりあげた『てるてる家族』の原作者(原作は『てるてる坊主の照子さん』)や、『長崎ぶらぶら節』で2000年に122回直木賞を受賞した作家として有名です。しかし、彼は私が生まれる前から活躍されている力ある作詩家です。今回の作詩は15年ぶりとのことで、その事実にも驚きつつ、才ある人の活躍をすばらしく思ってます。うーん、見習いたいです。
■TOKIOの代表曲になるだろう
この曲をCM以外でちゃんと聴いたのは、10月3日のテレビ朝日系で放送された「ミュージックステーションスペシャル」だった。弦をバックにして歌うのは、CMで聴くのはとは違って、壮観で重みもあってよかったよ。長瀬ひとりボーカルでなく達也も絡んでくるところがまた個人的には好きだったりしたしね。
同時に、この曲は、TOKIO的には、かなり本気で力を入れている作品だということがよく分かる。もちろん、作家陣(作詞:なかにし礼 作曲:筒美京平)を見た時点で、かなりマジというのが感じられるんだけど。歌詞の普遍性は、時代や年代を問わず歌われることを予想させるし、サビの歌い上げのあたりは、カラオケで歌ってもむちゃくちゃ気持ちいいはずだ。
で、気になるのがこの部分。癒しの時が過ぎ、気づきの時代が来ると思っている私は、「こう来たかぁ」と思ったよ。内なる自分に気づくということが、人を成長させるのだ。意外にいろんな問題の答えは自分の中にあるはず。
逢いたい人は君だけど
君なんだけどそれだけじゃない
知らない街で
出逢いたい 真実(ほんと)の自分と
旅に出るかはどうかは個人の都合や趣味もあるから各人にお任せするとして、自分の声を聞く時間を持ってみるのはいかが?
公開:2003/10/17 TEXT・みど(c) 2003 RGS680,all rights reserved.