第1回「H・A・N・A・B・I〜君がいた夏〜」ZONE
8月もそろそろ中盤。でも、今年の夏はどこにいったの? っていうくらいあまり夏っぽくないよね。ちょっと淋しいような。だけど、今年も夏の歌がたくさん生まれている。そんなひとつを今週は紹介!
●ZONEって?
(→公式サイト)
☆TAKAYO(Vocal&Guitar)1985.06.13生
☆MIZUHO(Vocal&Drums)1986.12.12生
☆MAIKO(Vocal&Bass)1986.7.24生
☆MIYU(Vocal&Guitar)1988.5.20生
北海道出身の4人組女の子バンド。自ら楽器を操りながら歌うところが、他の女の子ユニットとの違いであり、彼女らしさである。ダンスはしないよ。
さーーて、これは、言わずもがな2001年8月8日に発売された「secret base 〜君がくれたもの〜」に呼応した作品でしょう。あれ、もう2年たってるんだね。去年のことかと思ってた。時の流れって早い。それにしても、小説にせよ、歌にせよ、こんな風に何年かたって、続編のような作品が出されるのって私は個人的に大好きなのだ。余談だけど、松田聖子の「赤いスイートピー」と「続・赤いスイートピー」もお気に入りで、あまりに気に入ったせいで、自分でその続編を書いたこともある。結構、自信作でしばらく自分の資料にしてたほど。そんなわけで、今回の「H・A・N・A・B・I 〜君がいた夏〜」は、2年前のZONEの3枚目のシングルであり、彼女たちを一気に有名にした曲「secret base 〜君がくれたもの〜」と併せて聴くとより楽しめること必須。もちろん作詞・作曲は両作品とも町田紀彦氏が手がけているから、歌詞にも繋がった物語性があるし、見つけて欲しいだろうポイントもちりばめられている。メロディラインは姉妹作品って感じがする。
でも、「ZONEって15歳くらいの若い女の子ちゃんたちだろ?」なんて思っているあなた。そうその通り。彼女たちは15歳から18歳の女の子ちゃんたちです。デビューしたときは、12歳だった子もいます。そんなわけで、「子供じゃん」なんて思っちゃってませんか? でも、誰にだって12歳とか15歳とか18歳という時代があったでしょう。その頃って、将来のことなんて何も分かっていないのに、この人を大好きとかって無責任に思ったりしたもの。時々、その頃、出会ったまま10年後に結婚なんて話もあったりするけど、多くの場合、今じゃ記憶の彼方だったりしません? その記憶の彼方にある甘酸っぱい思い出をふっと手のひらに戻してくれる歌を歌ってくれてるのが彼女たち。一緒に花火を見た経験がなくても、それぞれの思い出にひたちゃってください! これは、ある意味ノスタルジーです。
懐かしい恋を思い出す際には、「待ち合わせした 神社の石段 早くつきすぎて」とか「夜空の下 手をつないで 砂利道走り抜ける僕達に」とか具体的なシーンが用意されているので、イマジネーション能力に欠ける人はフォローしてもらってね。私にはこんな素敵な思い出はないけど、10代の頃に好きだった男の子たちのことを思い出ちゃいました。今頃、彼らは何をしているのかなぁ? 好奇心で、彼らの名前をインターネットで検索してみたことがあるのだけど、全然引っかからないの。私は、こんなに自己主張して生きてるけど、みんな穏やかに生きてるのかもと思ったりしたよ。
さて、歌詞の話に戻ると。「H・A・N・A・B・I 〜君がいた夏〜」の中で歌われる「君がいた夏」は、2年前の「secret base 〜君がくれたもの〜」で彼が転校してしまう前のまだ一緒にいた夏のことになる。そして、2年たって再会するのか? しないのか? 歌詞の中では、はっきりしないんですよね。「久しぶりに会う またあの笑顔を見せよう」と言いつつ、「明日になればたぶん そう夢の中に・・・」なんて続いている。10代の恋は、セツナク、ハカナイものです。2年前の「secret base 〜君がくれたもの〜」には「10年後の8月 また出会えるのを 信じて」って言ってるけど、会えない方に1000円の私です。夢壊しちゃうかな?
そうそう、私の場合この歌の歌詞のイメージは一人称が「僕」であっても主人公は女の子。そして、同級生の男の子を思っているというシチュエーションです。でも、きっと聴く人によっていろんな捕らえ方があると思うんだよね。ほんと、そんな余裕を見せてくれてる曲です。PS.今週の4位にランクインした浜崎あゆみ「&」の3曲目にも「HANABI」という曲が、もちろん全然違う曲だけもこっちも合わせてお楽しみあれ。こちらも、恋を振り返ってるよ。
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