読書っ子にっき

テキスト&イラスト・芦之由
2007年4月11日

3分26秒で2000万円稼ぐ方法:削除ボーイズ0326(方波見大志)

削除ボーイズ0326(方波見大志)人は数字の話が好きだ。
たとえばレッドソックスの松坂大輔について語るには、10奪三振とか60億円とかいう数字は欠かせないだろう。またRGS680とか数字が入っていると、この数字ってなんだろうと気になるものだ。ちなみにこのサイトの略称RGS680は「ロイヤルガーデンサラダ680円」の略で、680とは680円のこと。

そんなわけで小説「削除ボーイズ0326」も、まずは0326の部分が気になるわけだ。この0326は3分26秒であることが冒頭でいきなり分かる。そして途中で「削除装置」を使って消せる時間の長さなんだなと気づかされるようになっているのだ。326(ミツル)もきっと、うまい数字の使い方だと納得するはず。

そしてこの小説についてまわるもう一つの数字が2000万円だ。本作品は第一回ポプラ社小説大賞受賞作品なのだが、その賞金が2000万円(!)ということなのよ。つまりこの作者は3分26秒を話題にした小説で2000万円稼いだ、略すと「3分26秒で2000万円稼いだ」というわけね(略すなよ)。

まあ2000万円の小説ともなると、60億円の松坂同様に世間の注目とともにやっかみが多くなるのは仕方ないだろう。そのせいもあってか、この作品に対するマイナス評価の声は少なくない。

でも、この作品には小説としてもっとも大切な要素がちゃんと入っており、そのことが受賞につながったんではないかとわたしは思う。それは、小説の中で主人公に起こったことを疑似体験することにより、読者が現実世界を違った視点で見ることができるようになるということだ。

とくにこの小説の主人公と同じ小学生や中学生などに読んで欲しい本だね。過去を削除すれば現在に影響が出てくる。今の自分や周りの人間の状況もがらっと変わってしまうかもしれない。そのことから、今こうして自分が生きていることの奇跡、みたいなことに気づかされる人が多いと思うから。

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