読書っ子にっき

テキスト&イラスト・芦之由
2008年1月22日

メリーゴーラウンドに乗ってる君のことが好きだよを歌っていたころの君のことが好きだったよ:Helter Skelter(川村カオリ)

Helter Skelter(川村カオリ)たとえば自分がミュージシャンだとして、「ファンでした」と過去形で言われるのはさみしいと思う。なのでわたしは文章を書くときも、元ファンだとか昔は好きだったという言い方には気をつけているつもりだ。相手が引退している場合は別だけど。
でも、この川村カオリの自伝を読んで、ちょっと考え方が変わった。今はもし彼女に会っても、元ファンだったと胸を張って言ってもいい気がする。「Helter skelter」を読んで人間・川村カオリのファンになったという言葉を添えて。

そう、アーティスト本人とその作品とは別物なんだよね。わたしは川村かおり(当時の表記)の生い立ちやバックボーンを何も知らずに、ただ彼女の歌のファンだった。とくにアルバム「CAMPFIRE」の時期を頂点としたその前後のころの彼女の曲が好きだった。いや、今も好きでiPodにも入ってる。「メリーゴーラウンドに乗ってる君のことが好きだよ」という曲が特に好きだよ。
本の中にそのころの話も出てくるのだが、当時の自分や曲を否定するような事を言ってないことも、元ファンとしてうれしい。元アイドルでアイドル時代のあれやこれやを否定する人がいるけど、ああいうのって当時のファンにとっては複雑なんだよね。

【イラスト】川村かおりから始まるZOOの歴史
川村かおりから始まるZOOの歴史

ところで、ファーストアルバム「ZOO」が生まれたいきさつで気になることが。本によると、このアルバムの曲は、川村かおりが書いた詩に辻仁成が手を加えて曲を付けたものとのことだ。ということは、あの名曲「ZOO」も原案・川村かおりってこと?
セルフカバーされた「ZOO」は辻仁成率いるエコーズの代表曲となっているし、のちに芥川賞作家になった辻仁成が脚本を手がけたドラマ「愛をください」で菅野美穂に歌わせたのもこの曲(蓮井朱夏名義でリリースされた「ZOO~愛をください~」)。そんなすべてのきっかけを川村かおりが作ったとしたら痛快だね。いや、真相はどうなのかは分からないけど。

今日の蛇足

この本の最後のほうでは微妙な夫婦関係が語られているのだが、2007年6月に離婚していたことが2007年9月に報じられたとのこと。うーん、残念。

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