ドラマ版とは別物の小説版:モップガール(加藤実秋)
つい先日最終回をむかえた連ドラ「モップガール」の原作小説は、映像化前提で書かれたものだ。 最初のページには「企画」として東宝株式会社と株式会社SDPが併記されている。株式会社SDPって聞いたことないなぁと思いながら本文に突入することに。
少し読むと分かるが、これドラマ版と設定からして全然違うね。違う点を挙げていくより、類似点を書いた方が短くまとまるくらい。ここまで違うと全くの別物として読める。原作小説とドラマ版という関係というより、小説版とドラマ版という別作品だな。谷原章介の役はドラマ版オリジナルだし。
モップガールの大友さんが原作を読んだら…。
掃除屋でバイトする(この時点でドラマ版と違う)長谷川桃子は、殺人事件のあった部屋を掃除した後、ある風景が脳裏にフラッシュバックするようになる。それは死者の残したメッセージだと思い、それを解明するため掃除屋の仲間達と事件の謎に迫っていく…。という内容が第一部。その後の別の事件では、同じ味しか感じなくなったり、同じニオイしかしなくなったりと、死者の念がいろんな形で現れるところが面白い。
なお、ドラマ版では、死者の遺品に触れると時間をさかのぼり、事件を未然にふせぐべく主人公が奔走するという設定となっている。そして、それがアメリカドラマの「トゥルーコーリング」に酷似しているとして、一部から批判を浴びているという。
そこで、小説版の設定はドラマ版と違うんだということを、作者・加藤実秋のためにも主張しておきたい。
最後のページには「本書は、東宝株式会社および株式会社SDPの企画提案をもとに、著者が、タイトル・人物・設定等を考案し、映像化用原作として執筆したものです。」と、ことわり書きが。また出たなSDPと思い調べてみると、スターダストプロモーションの関連会社、スターダストピクチャーズなんだって。なるほど。そこで主演・北川景子、主題歌・ERIKAとつながるわけだ。
キーワード:スターダストピクチャーズ トゥルーコーリング モップガール 加藤実秋 北川景子 株式会社SDP
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