毒づき芸を楽しむ本:目にあまる英語バカ(勢古浩爾)
英語バカに毒づきつつ、英語崇拝におかされた人の洗脳をとこうとしている本。この作者の場合、毒づくのが一つの芸なので、そういう「毒づき芸」を楽しめない人には、不快に感じちゃうかもしれない。
英語バカとは誰かというと、英語がかっこいいと思っている人も、意味も分からず英語のプリントされたTシャツを着ている人も、「驚異」の英語学習法の広告に引っかかる人も、英語を法律で第二公用語にせよという人も、みんな英語バカなんだとか。
もう多額の金を英会話につぎこむのはやめましょう。無駄
もう年端もいかない子どもに英語を押しつけるのはやめよう。無責任。
もうやめよう、英語ができるのを羨んだり得意げになったりするのは。無意味
という箇所を読んで、ハッとさせられる人も多いと思う。こういったことについて考察していく内容なのだが、前述の通り「毒づき芸」を楽しむ本であるので、真面目な論証を読みたい人は、この本で引用されている各書を読むといいかも。
わたしは、小学校からの英語教育導入や、幼児から英語に親しむみたいなのには否定派だ。なので、その辺の論理武装に役立ちそうな情報が欲しかったのだが、この本で引用されていた情報の多くは、たまたま読んだことのあるものが多かった。
しかし、カーネギーメロン大学教授で電子工学を教えている金出武雄氏による、幼児期からの英語教育には反対という理由の、《そもそも幼児が英語で会話すべき内容がない
》というのは、ちょっと笑えるが核心をついていると思った。《そんな暇があったら「日本語そのものか、算数をでもきちんと教える方が賢いような気がする」
》といわれれば、あーそうだよねぇと英語おバカさんでも納得するかもね。
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