韓国でも人気らしい:空中ブランコ(奥田英朗)
村上春樹が韓国で人気だというのは知っていたが、最近は奥田英朗の人気も高いそうだ。2004年に第131回直木賞を受賞した「空中ブランコ」は、韓国で30万部以上売れているのだとか。
わたしは奥田英朗の作品はコラムしか読んだことがなかったので、その「空中ブランコ」を読んでみた。うん、これは確かに面白い。といっても笑えるという意味での面白さで、いわゆる娯楽小説。こういうのが異国でもウケるというのが、ちょっと興味深い。やはり日本と韓国は笑いのツボが近いのか。
この「空中ブランコ」は、トンデモ精神科医・伊良部が、心の病に悩む患者をさんざん振りまわしながらも、意図してか偶然か治療していくというパターンの話が続く短編集。
実は精神科医・伊良部シリーズの第一作は「イン・ザ・プール」だそうで、そっちから読んだ方が良かったのかも。
一番笑えたのは「義父のズラ」、最後不覚にも(電車の中なのに)涙が出るほど感動したのが「女流作家」。もちろん表題作の「空中ブランコ」も面白い。とにかく読後感がいいので万人にオススメ。
なお、「空中ブランコ」は2005年5月にフジテレビでドラマ化されていて、そのとき伊良部は阿部寛が演じている。そして、映画化された「イン・ザ・プール」では松尾スズキが伊良部役だったんだとか。
どっちも見た目のイメージは違うなぁ。
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