夜のピクニック(恩田陸)
遅ればせながら話題の「夜のピクニック」を読んでみた。読み始め、妙にもったいぶった展開とこの本の分厚さから、この「ピクニック」は遠い遠い道のりに思えた。しかし、主人公二人の謎が明らかになるところあたりから一気にひきこまれ、ゴールが来るのが待ち遠しくもあり、もったいないような気もしてきた。そう、この小説を読んだみんなも、「歩行祭」を歩ききった感じになるんだな。
全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという伝統行事「歩行祭」。このイベントを舞台にした高校生たちの話がこの「夜のピクニック」だ。
2006年9月に映画版が公開されたが、そのCMを見て、「歩行祭の間に好きな男の子に告白する話」だと勝手に思いこんでいた。
しかし、実際の内容はちょっと違っているので、「恋愛モノはちょっと…」という人にもオススメだ。親が中高生くらいの子供に安心して読ませられるような本だな。
「みんなで、夜歩く。ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう。」映画の宣伝にも使われていた作中出てくる言葉。これをもじってこの小説を評するなら、「みんなで夜歩きながら話をする、ただそれだけの小説なのにどうしてこんなに面白いんだろう。」って感じでしょうかね。
■関連リンク
- Amazon.co.jp:「夜のピクニック」恩田陸
- Amazon.co.jp:「図書室の海」恩田陸(「夜のピクニック」の予告編といえる短編「ピクニックの準備」掲載)
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