2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会・長野 記念 [ma]インタビュー
本日(2月26日)、17:00から開会式が開催された「2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会─長野」。大会公式ソング「Ring」を歌う[ma]のインタビューを公開!
この記事は「MUSIC PRESS」に掲載されたものを、許可を得て転載するものです。
●大会日程:2005年02月26日(土)~03月06日(日)
●2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会・長野
2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会─長野 とは
大会理念(Webサイトより引用させていただきました)
・ 2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会は、アジアで最初に開催される世界大会であり、オリンピック、パラリンピック、スペシャルオリンピックスの三つのオリンピックが同一地域で開催される世界的に意義のある大会である。
・ 知的発達障害のあるアスリートが個々の目標と可能性に向かってベストを尽くす競技の舞台を多くの市民の積極的な参加により創りあげ、勇気、喜び、感動を分かち合い、『皆で集い、共に楽しむ』大会を目指します。
・ スペシャルオリンピックスムーブメントを広げるとともに、スポーツを通じて平和で、障害、国籍等を超えた心のバリアフリーを世界に向けて発信し、誰にも開かれた人に優しい地域社会の創造を目指します。
長野を大切に歌い続ける[ma]
──自己紹介からお願いします
aya「[ma]のボーカル、ayaこと二唐章子です」
mayu「[ma]のピアノとコーラス、mayuこと渡部真裕です」
──ところで、ユニット名の[ma]は、なんて読めばいいのかな?「ま」でいいの?
aya「そうです。読み方は『ま』です」
──じゃ、[]は?
mayu「それは発音記号の…」
──そうなんだ! 意味は?
mayu「名前を付けたきっかけが、地元のコンテストなんです。応募するのに名前をつけなきゃってことになって。ayaが歌っていたイタリアオペラの曲の中に、『ma』っていう単語があって。その曲がとても印象的な曲だったんです。それで、なんか面白いねっていうことと、クラシックピアノと歌だと堅いイメージがあるけど、応募した曲はすごくポップな曲だったんで、堅いだけじゃない、こんなこともやるよ、っていう意味を込めて『でもね』っていう意味の[ma]にしたんです」
──[ma]は、イタリア語で、『でも』、『しかし』っていう逆接語なんだ
aya「『一筋縄ではいかない、逆接から可能性を求めて』っていう意味も込めてます」
──深いですね。それって学生の時?
mayu「そう。学校の講義でもパートナーで、ayaの伴奏は私がやってたんです。学校では、イタリアの歌曲やオペラだったんですけどね」
──それが、ポップスに変わったきっかけは?
aya「mayuが、友達の誕生日に創った曲があって、それを『aya歌ってみない?』って言われて。遊び感覚で始まったんですよ」
──すごく自然ですね。それでコンテストに応募したの?
mayu「そうです。1999年の夏に応募してダメで。そのまま卒業して二人とも就職したんです。だけど、2000年にもう一度だしてみようってことになって」
──そのコンテストが、何かを変えた?
mayu「ちょうど同じ時期に2つのコンテストがあって、両方出したんです。そうしたら、なんと両方ともグランプリを獲ることができて。賞品がCD制作だったんでCDを作ることができました」
──肩に力が入ってない事が幸いしたのかなぁ?
mayu「そうかも。本人たちが一番ビックリしましたね」
──忙しかったでしょう? 仕事との掛け持ち。ayaさんは小学校、mayuさんは幼稚園で働いていたんですよね
mayu「その頃は、休みの日だけ音楽をやってました」
──曲や詞はいつ、どんな風に作っていたの?
mayu「私は、言葉が断片的に浮かぶので、ノートに書き留めるようにしてるんです。曲を創る時は、創るぞっていう体制にならないとできないんで、一人になって集中してって感じで創ってます」
aya「私も、言葉が浮かんだときはメモをしています。それが、どんな時かっていうと、ものすごい悲しいことがあった時なんですよ。そういう時に、私は曲を書いているなと気づいて。もちろん、幸せなときも書くんですけど、どっちにしても心が大きく動いたときに書いてます」
──じゃ、失恋したときとか?
aya「そうですね~。失恋…はこの間、したんです(笑)。でも、まだ曲になってないですね。歌詞は書いたんですけど」
──ごめん。痛いこと聞いちゃった?
aya「大丈夫です。ただ、悲しい時って、自分を責める事が多いんです。自分の中で、自分はこれでいいのかとか思って、自分が嫌になったりとか、そういう時に、詞
を書いてるんですよね。アルバム『Una Voce』にはそういう曲が多いです。「Free Free」や「あのころ」は、今の自分にちょっと疑問を持ってる時に書いたもの。「アカシ」は、もう明日、死ぬかもしれない、明日死ぬとしたらどんな曲だろうって思いながら創った曲で…。そしたら、創ってるうちに明日死ぬ感覚になってきて、すごく泣けてきちゃったんです。遺書を書くみたいな感覚で書いていました」
──そこまで思って書けるのってすごい! 聴く人に浸みるのも納得です。あと、普通に働いた経験が聴き手に共感を持ってもらえるってこともありますよね
mayu「そうですね。普通の社会人経験があるので、仕事をすることの大変さは分かります。その中で、好きなことをやることに対しては、普通の人と同じ目線で見ら
れると思うんです。今は、仕事を辞めちゃったので『好きなことやってていいね~』って言う人もいるけど、その人たちの気持ちも分かる。だって、自分もそうだったから」
──そういうメッセージとかもらったりします?
mayu「ありますよ。一昨年だした『Life-size』を聴いて、『昔、好きだったことをもう一回始めてみようと思います』とか。これはとても嬉しいですね」
──2月2日には、新曲が発売されますね。小学校の子どもたちがコーラスをしてるんですよね
aya「信濃町立古海小学校の子たちです」
mayu「ayaの教え子なんですよ」
──えっ?
aya「働いていた小学校なんです。5年生の子は私が持ってたクラス」
──子どもたちも嬉しいよね。先生が帰ってきたみたいで
mayu「子供の声を入れたいってなると、つながりがないと難しいと思うんですよ」
aya「でも、私は直接、音楽の先生に電話しちゃいました」
──そして、「Ring」は、今年の「スペシャルオリンピックス冬季世界大会・長野 公式サポートソング」になってますよね。これがテーマソングになったきっかけは?
mayu「スペシャルオリンピックスの日本の理事長にイベントでお会いする機会があったんです。そのとき、スペシャルオリンピックスでもぜひ歌って欲しい、って声
をかけてくださって。私たちは、その時初めてスペシャルオリンピックスのことを知ったんですけど、Webサイトで調べて曲を創ろうって決めたんです。そして、忘れられないうちにってすぐに手紙を出しました」
──これは、長野在住の強みだったかもしれないですね。ところで、東京に出ようとは考えていないの?
aya「仕事を辞めた時に考えました。東京の方が、ライブをやればお客さんも入るし、反応もダイレクトで、すごくやりやすいんです。だから、東京でやりたいねって話は、二人の間では、何度も出てるんですよ。でも今まで長野を中心にやりますって言ってきたし、まだ長野でもそんなに有名じゃないので、まず長野の人に、[ma]っていうユニットを知ってもらおうって決めたんです。東京に出るのは簡単だけど、東京に出たら音楽をやっている人はいっぱいいるじゃないですか。そこで、埋もれていくよりは、もっと長野で活動して、長野の人に知ってもらって、それからでもいいよねって。それで、去年の夏から長野縦断ライブをやり始めたんです」
──縦断ライブはどんな感じで?
aya「まず、3月13日に長野県県民文化会館の中ホールでやるっていうのが大きいことです。そのホールは、長野ではそうそうたるアーティストの方が来るところなんですよ。そこでやるってことが力になってますね。それで、去年の8月から縦断ライブを始めて、各地で歌ってますね。最初は長野県117市町村を路上ツアーでまわろうかって思ったんですけど、路上でやっても、あんまり聴いてくれる人っていないよねって話になって。8月に、117市町村の役場に一気にメールを打ったんです」
──役場に?
aya「はい、役場に。私たち[ma]といいますっていう挨拶から始まって、長野で音楽活動をしてて、3月には県文でやることを決めたので、皆さんに知って欲しいからイベントやお祭りがあったら呼んでくださいって」
──反応はどうでした?
aya「返事をくれる市町村が結構あって、中には[ma]を知ってくださっている方もいて。ぜひ、出てくださいというメールが来たんです。それで、自分たちでブッキングをして、ライブをやってるんです」
mayu「予定は決まってないんですよ」
aya「そう。ものすごい流動的に入って来るんですよ。何月何日に何々をやることになったので、ぜひ、来てくださいみたいな感じで」
──でも、長野って広いでしょう?
mayu「広いですね。だから、ひとつのイベントに参加するだけではもったいなから、その近くのデパートとかCDショップに電話して、インストアライブをやらせてくださいってお願いしたりして」
──すごいパワー! それにインストアならいろんな人に聴いてもらえるしね
aya「そう。縦断ライブをすることで、そんなに音楽を好きじゃない人でも気軽に来てくれるっていうか。長野の人って、ライブハウスへ気軽に行く雰囲気ではないので。小さい子どもから、お年よりの方まで親しみやすい形で聴いてくれて。どこに行っても暖かく迎えてくれるんです。村で作ったりんごとか、おばあちゃんが作ったおはぎとか、いろいろもらったりしてます」
──アットホームですね
mayu「長野の人は、自分の故郷を好きな人がすごく多いんです。だから、自分たちの町へ足を運んできてくれたってことを嬉しく思ってくれるみたいで。この親近感っていうのは得難い財産になってます」
──今後、音楽をやって行く中で伝えたいこととか大事にしたいことってなんですか?
aya「心の内面のものを出していくことかな。あんまりきれいごとも言いたくないし、何か大きいものを伝えたいって思ってるわけではないんです。だから、受け取る人に自由に聴いてもらえればいいんです。その日の気分で、同じ曲でも明るく聴こえたり、暗く聴こえたりもあると思うんですよ。それでいいと思っています」
mayu「人によってはシーンを設定したり、想像したりして創る人もいると思うんですけど、私たちは、自分たちが経験したこと、自分たちが思ったこと以外は書いてないんです。だから、自分で書いた曲はそこでは完結してるし、まったく嘘や偽りはないです。だけど、出したものに関しては、ayaも言ったように、自由に受け取ってもらえればいいと思う。歌が間に入ることで人と人が出会えるのってすごく素敵なことだと思うし。この曲から何を感じて欲しいとか、これで元気になって欲しいっていうのはなくて、私たちと聴いた人との間に歌がある。歌のおかげでいろんな人に出会えることが一番の魅力だと思ってます」
プロフィール
■[ma](ま)
二唐章子(にがら あやこ)ボーカル 78年2月27日生 B型 静岡県出身 信州大学卒(写真右)
渡部真裕(わたなべ まゆ)ピアノ&コーラス 77年7月30日生 B型 長野県出身 信州大学卒(写真左)
■ホームページアドレス
[ma]PC公式サイト
[ma]携帯
公式サイト
■ライブ情報
1st Hall Live 「Piacere」
3/13(日)長野県県民文化会館 中ホール
OPEN16:00 START17:00
前売:¥2500 当日:¥3000



状況: