2時間ドラマ探訪

テキスト・伊藤緑
2006/03/19

第一回:「温泉若おかみの殺人推理・南紀白浜夕焼け小焼け復讐の連続殺人」

ほとんど、毎日のように放送されている2時間ドラマ。確実に市民権を得ています。思えば、小学生の頃から、2時間ドラマを見てました。その頃は「土曜ワイド劇場」くらいしかなかったような気がするけど。そして、数十年たった今も、なぜか、ついつい見てしまう。ってことで、主にシリーズになっている番組を中心にストーリーとチェックポイントを紹介。

「2時間ドラマ探訪」は、「れんドラ110」」のメルマガで、連載しています。

●放送日
2004年05月01日放送(土曜ワイド劇場)
●出演
東ちづる(上村沙江子)、中村梅雀(上村有作)、岡田茉莉子(上村道子) 若林豪(野田警部)、大路恵美(川北美子)、橋爪淳(川北晃一) ほか
●シリーズの歴史
「温泉若おかみ殺人推理」シリーズの始まりは、1994年07月30日。今回の放送は、14作目。その間、若おかみは大島智子→東ちづる。旦那は、山口良一→金田明夫→渡辺いっけい→梨本謙次郎→松村雄基→船越英一郎→布施博→中村梅雀。なんと、東ちづるは6人も旦那を変えている。恐るべし。
それはさておき、この「温泉若おかみ殺人推理」シリーズは、東ちづる扮する若女将が旦那である刑事中村梅雀の情報を聞きながら、事件解決しちゃうもの。毎回、有名温泉地が舞台っていうのも旅情があっていいなと思っている。さて、今回はどんな事件が起こるやら?

■ストーリー

南紀白浜の温泉旅館「むさし」の若女将、沙江子(東ちづる)の元に脅迫めいたメールが届き、町では甲冑武者の亡霊が現れるという噂が流れていた。
「むさし」では、「夕焼け同好会」の全国大会が行われることに。そのメンバーには、なんと、沙江子の初恋の人、川北晃一(橋爪淳)がいた。川北は医者になっており、妻である介護福祉士の美子とともに参加大会参加していのだ。大会初日は、コンテストの表彰式、エッセイ部門では、寝たきりになった妻を10年間介護した不動産鑑定士・坂井(西沢利明)の作品が選ばれた。

そんな夜、第一の殺人が起こる。同好会メンバー広沢(野村信次)の死体が発見されたのだ。続けて、第2、第3の殺人発生。同じくメンバーであるフリーライター滝川(秋間登)と同好会会長浜崎(茂木和範)が殺された。まずは、現場近くにいたことから、川北が疑われ警察へ。しかし、明確な証拠がなく釈放される。そんな折、夜道で大女将(岡田茉莉子)が襲われる。

殺された3人と大女将の接点が10年前にあることが発覚。10年前、3人が夕焼けを撮影に来た時、大女将が案内したのだ。その時に、妻が具合を悪くしたから助けて欲しいとある男に頼まれたことがあったのだ。しかし、3人は夕焼けの撮影に夢中で取り合わなかった。その時の男が坂井だった。警察は坂井を確保、車のトランクから甲冑の衣装が見つかる。しかし、坂井は第1の殺人しか認めない。それも、致命傷である胸にはナイフは刺していないと言う。

ここから、沙江子の推理が光る!
坂井の妻の入院先が川北の勤める病院であり、川北が担当医であったことを知る。しかし、川北は左利きであることから犯人ではない。では、犯人は? そう、坂井の妻の介護をしていた川北の妻、美子だったのだ。美子登場。坂井は、夕焼けに夢中で妻を病院へ運んでくれなかった3人を恨んでいた。あと10分治療が早ければ、寝たきりにはならなかったと医師から言われていたのだ。そして、その恨みを看病の傍ら日記に記していた。その日記を美子が読み、恨みの気持ちを共有していた。そしてもうひとつ、悪い噂の多いフリーライターである滝川は、医療関連のことで美子を脅し、お金だけでなく身体まで要求していたのだ。美子は、坂井の犯罪計画に便乗し、自らの意志も遂げたのであった。

■チェックポイント

3つの殺人が、最初の30分で起こってしまったのには驚き。その分、犯人は誰か? の部分を長くとって、川北→坂井→川北→美子と目線を変えているのだけど。虫も殺さぬような顔をした人間が犯人という2時間ドラマの王道どおり、美子が犯人だったのは、ちょっと分かりやすかったかも。 でも、このシリーズは、推理だけでなく旅情の要素もあるので、旅好きの人にもお勧め。南紀白浜の名所、景勝地がたくさん紹介されている。たとえば、殺人現場が、円月島近くの防波堤や、千畳敷の沖合といった感じ。殺人現場として紹介されるのはちょっと悲しいけどね。舞台となった「むさし」も実在の宿。もちろん、若女将は、東ちづるではないよん。

南紀白浜の景勝地「南紀白浜温泉(和歌山県)白浜観光協会」
http://www.nanki-shirahama.com/
紀州・白浜温泉「むさし」
http://www.yado-musashi.co.jp/


■気になる出演者

東ちづる:このドラマではおきゃんな若女将という女優の顔を見せているが、実は、他にもいくつかの顔が、ということで、それを紹介。
まずは、彼女の告白本。『“私”はなぜカウンセリングを受けたのか―「いい人、やめた!」母と娘の挑戦』。自らがアダルトチルドレンであると告白。自分と母親、そして、カウンセラーとのカウンセリングの過程がおさめられています。
そして、もうひとつ、こちらも彼女の署著:『わたしたちを忘れないで―ドイツ平和村より』。骨髄バンクにも積極的な活動をする彼女は、海外に向けても活動をしている。第二次大戦の戦争責任を思いドイツが作った「ドイツ国際平和村」に共感し、日本にも「ドイツ国際平和村」のようなものを作れないかと活動を開始。しかし、パスポートのない子供たちを受け入れることの困難や、どんな病原菌をもっているかわからない子供達を受け入れることの難しさ等、乗り越えなくてはいけないハードルが高く、日本国内への平和村を作ることはひとまず諦め、できることからということで、募金集めを中心に活動をしている。

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