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21世紀J-POPあれこれ
レコードからCD、カセットからMD、そしてMP3プレイヤー。音楽を聴く環境は変わっても変わらないこと、それはいい曲はいいってこと。
昔はよかった、と振り返るのもいいけれど、今輝いているアーティストを聴かないのはもったいないかも。
誰を聴けばいいか分からない人は、このコーナーを参考にしてね。

●Vol.3 鬼束ちひろ

■■リスト■■
Vol.3(鬼束ちひろ)
Vol.2(岡北有由)
Vol.1(Do As Infinity)

鬼束ちひろ
岡北有由ジャケット

1980.10.30生

[→公式サイト]

流星群(シングル『流星群』2002.02.06 Release)

呼ぶ声はいつだって 悲しみに変わるだけ
こんなにも醜い私を
こんなにも証明するだけ でも必要として
貴方が触れない私なら
無いのと同じだから


メロディに乗せる言葉は、かつては美しく普遍的なものが多かった。私の世代だと、最初に「おっ!」と思ったのが、山口百恵の歌った言葉だ。千家和也氏が書いていた初期の百恵作品は、今でもドキっとする表現が多い。例えば「あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ」(ひと夏の経験)や「あなたが望むなら 私何をされてもされてもいいわ」(青い果実)など。彼女が口にするこれらの言葉は、今でもちょっと刺激的に見えたりしませんか? その後、アイドル全盛時代などを経て、ミュージシャンが自らの言葉で綴る時代がやってきた。

鬼束ちひろもそんなひとりだ。自分の中で生まれた感情や思いを率直な言葉に置き換えていく。心に溢れかえるものが吐き出されるのだ。冒頭に掲げた歌詞内の「醜い私」という言葉は、彼女ならではの言葉だ。「醜い私」という言葉は、綺麗な言葉でもないし、ポジティブな言葉でもない。しかし、そこにこそマイナスの底力を感じる。ポジティブではないが、決してネガティブではないのだ。この歌詞に共感する人々は多い。そして、その多くがこの表現をネガティブな考えとして共感しているかもしれない。だけど、そこでとまらずにもう少し深く考えて欲しい。この歌詞を書き、歌うことができる鬼束ちひろはひとつ壁を越えた強い人物だと思うのだ。おそらく、マイナスの底力を持つ強い人間なのだ。

共感できる歌詞を書いたアーティストは、その部分を世に出すという大きなストレスを乗り越えている。そのぶん、今の自分より数歩先にいることを知ってほしい。

「流星群」が収録されているシングル&アルバム
シングル『流星群
アルバム『This Armor

2003.05.21発売予定シングル『Sign

鬼束ちひろって?

以前、テレビのドキュメントで、彼女はこう言っていた「常に不安である」と。インタビューを受けているこの瞬間も不安で不安でしょうがないと。その時、彼女の中の不安はいったい何が原因でどのくらいのものなのだろう?と思った。病的に不安で不安でたまらないのあれば、おそらく通常の生活は営めない。つまりインタビューという強いストレスを生むものなどに答えてはいられないはずだ。だから、彼女の不安は、彼女の生活にある程度必要で、彼女がアーティストとして存在するために必須な、心の穴なのだと勝手に想像してみた。

人は、HAPPYな時より何かが足りないときの方がより強さを発揮する。きっと彼女はそういうところからものを表現する人なのだ。

(みど)2003/4/17公開)


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