映画プチレビュー:「8Mile」
勝ち抜きラップ対決映画。それってどんなバトル?
ラップ対決と聞いて、あなたはどんなバトルを想像するだろうか? パラッパラッパー? いや、あのゲームはいかにリズムに乗るかがポイントだけど、ラップ対決にはそれに加え、もう一つの大事なポイントがある。それがライムだ。といってもコロナビールに一かけ入れる柑橘系のあれではない。ライム(rhyme)とは韻のことである。
「♪常夏の楽園ベイベー/ココナッツとサンシャイン・クレイジー」
これは日本語ラップの代表選手・リップスライムの「楽園ベイベー」のリリック(歌詞のことをこう呼ぶとラップ通っぽいでしょ?)だが、これ、「常夏」と「ココナッツ」、「ベイベー」と「クレイジー」が韻を踏んでいるわけね。こういうのがライムなの。別に日本語で韻と言ってもいんじゃない(こういうのはライムと呼ばずにダジャレと呼ぶ)とも思うが。
で、このようなライムを即興で決めつつ、制限時間内でいかに相手をののしるかという1対1の勝負こそが、この映画でのラップ対決なのだ。いわばダジャレ悪口対決(違うか?)。

英語が聞き取れないとラップ対決の面白さも半減なのは致し方ないとしても、それでもエミネムのラップのすごさは伝わってきた。映画の一番の盛り上がりの部分で、本物のプロが本物の技術を見せているのだから、やっぱり迫力があるわけだ。
黒人有利なヒップホップ文化の中、差別にも負けずにラップ対決で勝ち上がっていく白人ラッパーの主人公は、もちろんエミネム本人の姿とダブる。
人種差別だったり、ホワイトトラッシュ(白人の貧困層)だったりの、現在アメリカの陰の部分を描いた作品かと思ったらそうではなく、むしろ、ハリウッド的、少年ジャンプ的なわかりやすいサクセスストーリーだった。いくら少年ジャンプ的とはいえ、汚い言葉が多く使われてるので、子どもにはおすすめできませんが。
おすすメーター:★★★☆☆
(WOWOWで見ました)
「8Mile」
監督:カーティス・ハンソン
出演:エミネム、キム・ベイシンガーほか
2002年作品
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